ミノルタAL-Fというカメラを入手した経緯は以前書きました。
母を送り出した後の初めての休日は雨でしたが、実家にいる間に詰めたフィルムを消費するために街に出ました。
フィルムはKodakUltraMax400です。
このフィルムは、実家近くにある小さなカメラ屋さんで買い求めたものです。
ほとんどシャッター通りと化した寂れた商店街の中にある、昭和40年代から佇まいが変わっていないと思われる古いお店です。
入った瞬間「あ・・ここには何も無いな・・・」というのが見て取れる程店内の棚は空っぽだったのですが、お店の奥から現れた、若く見積もっても80歳くらいのお爺ちゃんに「何をお探し?」と聞かれて出るに出られなくなります。
「あの・・カラーネガフィルムがあればと思いまして」と言いながらも、ほぼ「ゴメン・・ウチには無いんだわ」という答えを想定して踵を返す体制になったところに「1本ならあるよ。常連さんに頼まれて入れておいたんだけど、また仕入れればいいから」と棚から出してくれたのがそのUltraMaxだったのです。
常連さんの分1本だけの在庫を貰って帰るのも悪い気がしましたが(そもそもフィルム1本という仕入れも謎ですが・・)、今の世の中アナログフィルムは非合法薬物よりも入手困難です(多分)。
「あ、構わなければ頂いてもいいですか?」と財布を出すと、「はい。1080円ね」という答え。
「高っっ!!UltraMaxが千円だと!!??」と思いましたが状況的に断れません(笑)
そんなわけで、その時ミノルタAL-Fにはこのフィルムが入っていたというわけです。
ともあれ雨の名古屋市内を撮り歩きます。
雨の日のスナップは嫌いではありません。
雨に濡れた街や水たまりの写り込みがフォトジェニックってこともありますが、傘を差していると写真を撮っていても目立たずスナップしやすいという効用もあります。
翌朝、雨上がりの通勤路で一枚撮ったところでこのフィルムが終わりました。
結局それ以来このカメラは使っていません。
とても気に入ってはいるのですが、特に際立った特徴があるわけでもありません。
38mmf2.7というと、コニカC35とほぼ同スペックですが、AL-FはC35よりもボディが一回り大き目です。
この大きさのカメラを持ち出すならば、ついついハイマチックEやライカミノルタCLを持ち出してしまいます。
また純正のカバーを外すとストラップを付けるリングが無いのもちょっと不便です。
そんなわけで、休日にカメラ置き場からチョイスする時になかなか手が伸びません。
今年の夏、母の一周忌の時には持って帰ろうかな?
縁あって故郷で出会ったカメラです。
やっぱりこのカメラは僕が生まれ育った街で使うのが相応しい・・・・そんな気がしています。
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